写真:アフロ
「いじめ」「死にたい」「危険ドラッグ」「リベンジポルノ」......。皆さんはこんな言葉を検索したことはあるでしょうか? Yahoo!検索では、SOSとして、あるいは感情の吐露として、こうした言葉を検索する方がいます。
今回ご紹介するのは、このようなキーワードが検索されたとき、検索結果でどのような内容を出すのかを検討してきた社会貢献チームの取り組みです。
社会貢献チームは、前述したようなワードの検索結果について、この7月までに大幅な変更をしてきました。厚生労働省、文部科学省、内閣府のような省庁が遷移先として表示されたり、相談窓口の電話番号が表示されたりするようになりました。検索結果画面からすぐに相談窓口へ電話をかけることもできます。
今回のリニューアルの意図はどんなものなのでしょうか。社会貢献チームのSさんとOさんに聞きました。
――今回、検索結果画面での表示を変更したのはどういう経緯だったのでしょうか?
Oさん 検索結果画面での取り組みを開始後、ユーザーの利用スタイルはパソコンからスマートフォンにシフトしていきました。これまでの検索結果画面での掲出情報をスマホに最適化する形で今回全体を見直しました。
Sさん 今回「いじめ」に関する子ども向けの相談先情報を新たに追加しましたが、「いじめ」の問題は、決して子供に限ったものではありません。大人も苦しむこともあります。しかし、子どもを取り巻く悲しい事件が増える中、検索結果画面でどんな情報を出すのがベストな課題解決だろうかと話し合いながら進めてきました。
Oさん 以前と大きく違うのは、検索結果画面上に直接相談先の連絡先を出すようにしたことです。電話番号を表示し、相談したい方の相談先を明確にしました。
Sさん パーソナルな悩みごとは、パソコンではなく、スマホのようなパーソナル性の高い端末で検索すると思うんです。
Oさん 検索結果画面に相談窓口の電話番号を掲載して、さらにスマホからのアクセスについては発信機能を追加し、すぐ電話できるようにしました。検索からユーザーへの回答力が高まりましたね。
Sさん 発信が簡易になることで間違い電話が増えるなど、アクセス増加により本当に相談を必要とする方がつながらなくなるのでは......という不安もあったのですが、連携先と相談し、相談を必要とする方がすぐに相談できる緊急性を重視しようと踏み切ました。連携先の関係省庁のみなさんには、われわれの趣旨をご理解いただき、とても迅速に対応していただくことができました。
Oさん 今回相談先を表示する検索ワードは、過去のデータから検索目的を推察し、かなり厳選した上で、連携機関にも確認していただいた上で設定しています。
――「いじめ」の検索結果画面には、これまでは画像や動画の削除要請申請がありましたが、新たに文部科学省の相談窓口の電話番号が出るように変更されましたね。
Sさん インターネットでのいじめ対策の支援については、Yahoo! JAPANとしてこれまでも力を入れてきましたが、インターネット上にアップロードされたり、拡散されたりした画像や動画の通報が主な対策でした。今回は、「いじめが起き始めた段階で相談できないか」と考え、連携先を探していたところ、4月から文部科学省がいじめ相談のフリーダイヤルを開始されたと伺い、連携をさせていただくことにしました。
――表示される画像もシンプルになりましたね。
Oさん 遷移先の文部科学省と相談し、優しい印象を与えるものにしようと考えた結果、文部科学省のサイト内でも使われているクローバーをYahoo!検索でも使いました。Yahoo!検索担当のデザイナーが、与える印象や伝えたいメッセージを整理し、こだわりをもって新たにデザインを考えてくれました。
Sさん 子供向けの相談先については、夏休みが始まる前のタイミングに間に合って良かったです。小さな気持ちのズレが、長い休みが入るとより重くなりますから。
Oさん 大人でも休み明けって憂鬱(ゆううつ)ですからね。休みがあると「行きたくない」という気持ちが膨れるんですよね。
Sさん 夏休みだとインターネットを使う時間も増えるでしょうし、感情を吐露したときの「救い」として役に立てばよいなと思います。
――リベンジポルノ関連は、これまでは画像や動画の通報フォームへ案内だけでしたが、相談窓口も併せて案内されるようになりましたね。
Sさん リベンジポルノについては、Yahoo! JAPANが中心になって設立したセーファーインターネット協会による、民間のホットラインセンター「セーフライン」を以前からご紹介していました。いじめ画像や動画同様に、リベンジポルノも早期対応がなにより重要です。そのため悩んでいる方にできるだけ早く相談していただくため、通報方法だけではなく相談先なども掲載した特設ページを作成し、検索結果からもそのページをご紹介いただくこととしました。
――直接相談窓口を紹介するなど、これまでより検索結果画面を見てどうアクションしたらいいのかがわかるようになりましたね。
Oさん 悩んでいる方の課題を、これからも広くYahoo!検索で解決できるといいと思います。まずは、困っている人に適切な相談窓口を知っていただき、「その環境で、ひとりで悩みを抱えなくてもいいんですよ」と伝えていきたいですね。