イバラの道の序章
「こちら検索探偵」の企画を打ち合わせ中
※まず最初に断っておきますが、今回の試みは失敗しております。「ライターって大変だなぁ......どうでもいいけど」と他人事のような目線でお楽しみください。
担当者・加藤「......というわけで、春は出会いの季節ですし、今やグローバル社会ですから、外国人の方々と友だちになる方法について調査してください」
僕「ふむ。いい企画だね。いろんな国の人と友だちになることは、視野を広げる意味でも決して悪いことじゃない。よし、やろう。ただ僕、外国語はまったく話せないけど大丈夫なの? 『オウ! イエース!』ぐらいしか言えないけど」
ネットで 「外国人 仲良くなる方法」で検索すると、「自然体で」とか「なるべく意見をはっきり言う」とかそういう抽象的な文言が並んでいる。これは足で調査しなくては!
加藤「まあなんとかなるんじゃないですかね......? とりあえず、外国人が集まる地域をネットで調べてみたんですが、六本木あたりが多いみたいですね。そこらへんから攻めてみますか」
リアルタイム検索で都内 外国人 多いで調べると、やはり六本木が目立つ
ヨッピー、ほえる
そして六本木、のひとことに僕がキレた
僕「ああ!? 六本木!? 黙れこのクズ野郎!! 『外国人=六本木』みたいなステレオタイプな発想しかできないわけ? そんなわかりきっていることを調査して何がおもしろいの? 六本木みたいなメジャーな場所以外で探すからおもしろいんだろ!? 違うか!? ああん!?」
激怒するヨッピーにおびえる加藤
加藤「なんでそんなにキレてるのかは全然わかりませんが、わかりました。じゃあ具体的にはどこへ行きましょうかね?」
僕「よし。じゃあとりあえず新大久保や横浜中華街なんて有名な場所以外で、外国人が多く住む地域を探してみよう」
「外国人街」で検索すると、いろいろとヒット。外国人が多く住む地域って意外に多い
僕「へぇ、谷根千(やねせん)あたりには中東系の人も多いのか......」
谷根千は、東京の台東区から文京区にかけた、谷中、根津、千駄木周辺地域を指す総称。現在でも下町の風情が残された地区として知られています。
僕「そういえば前回の記事で谷中に行った時も、中東系の料理店とかをチラホラ見かけた気がする。早速行ってみよう!」
検索結果を頼りに谷根千へ
じゃん! というわけで、さっそく谷中銀座にやって来ました!
聞き込みをしながら、中東系のお店を探してみよう。店員さんや集まっている外国人に話を聞いてみると、いろいろわかるかもしれない。では、「谷中 中東系 店」と検索してお店を調べてみよう。
お! エンターテインメントな中東系料理店!? 気になるお店がヒットしたぞ!
って、めっちゃすぐ近くにあるお店だった
そんなわけでここ、中東系の料理店であるところのZAKUROに潜入。ベリーダンスのショーがあったり、本格的な中東料理が楽しめるそうだ。
店内はこんな感じ。おお。エスニックな雰囲気が出てる!!
ランチセットを注文。イラン・トルコ・ウズベキスタンの料理だそうな
セットにはサラダやスープ、豆料理や肉料理が出てくる。焼きたてのナンもついてきて、一人1,000円は安い!
僕「これよ~! これこれ! 新しい発見こそ調査の醍醐味(だいごみ)でしょうよ~! 谷根千にして完全に正解!」
加藤「はあ......」
食後にはシーシャ(水タバコ)を注文。ほんのり甘くておいしい!
個人的に大ヒットだったのがこのシーシャ! 甘くておいしい! 実はこのシーシャ、最近は若者の間でちょっとしたブームが来ているみたいだ。リアルタイム検索で「シーシャ」と入力するとゴロゴロヒットするぞ!
このお店以外にも、シーシャが吸えるお店はどんどん増殖中
僕「いやー、いいね! 最高! おなかいっぱいだし、シーシャはうまいしで言うことないわー。さて、そろそろ帰るか」
加藤「ちょっと。ちゃんと取材してくださいよ」
僕「えー。もういいじゃん......。水タバコのおいしいお店特集、とかにしておこうよ......」
加藤「それだと完全に趣旨が変わってるじゃないですか......」
そんなわけで渋々、イラン出身の店主、アリさんに外国人街について聞き込みをしてみた。
立ち込める暗雲
アリさんは「コラー! お前ー! 忙しいから手伝ってー!」と、お客さんに料理運ばせていた
僕「......というわけで、ここ谷根千あたりにたくさん中東系の人が住んでいるって聞いたんですが、どこへ行けばそういう人たちと知り合えますかね?」
アリさん「えー? この辺別に多くないよ。いないとは言わないけれど、そんなにたくさんいるわけじゃない。東大とか東京藝大が近いから、留学生とかはチラホラいるけど」
僕「えー! なにそれー!」
アリさん「そういう人を探してるんだったら、代々木上原にイスラムのモスクがあるから、そこに行けばたくさんいるよ。その辺に住んでいる人も多いんじゃないかな。そっちへ行ってみたら?」
ん? モスク? モスクってなんだっけ?
「モスク」を画像検索。美しい外観!
僕「あー、イスラム教の寺院か。なるほど......」
そんなわけで代々木上原にあるモスク、東京ジャーミィに向けて移動。全部行き当たりばったりなのも、当連載のいいところです。
アリさんの情報を元に、代々木上原のモスクへ
写真中央の高い塔がイスラム教のモスク、東京ジャーミィ
こちらは、都内に住むイスラム教の人がお祈りのために集まる施設。ホームページによると、イスラム教徒以外の人にも一般公開されていて見学は自由とのこと。
加藤「取材の許可は取ったんですか?」
僕「え。まだ取ってないよ」
加藤「えー! そんな軽いノリで大丈夫なんですかね」
僕「まあ見学は自由って言ってるぐらいなんだから、直接行って交渉しようよ。とりえず行ってみないと何も始まらないだろこのバカチンが!!」
加藤「......(この人は何を怒っているんだろう......)」
東京ジャーミィの入口にあった張り紙。やはり見学も歓迎してくれるみたいだ
僕「お邪魔しまーす! そんなわけで取材の申し込みをしたいのですがーー!」
僕「えっ......ああ、A4用紙で正式な申し込みを、ええ」
僕「はあ、しかるべき部署に......あ、そうですね......」
僕「なるほど、記事の公開日とアップ前の確認を約束しないと厳しい、と。はい......わかりました......」
普通に断られた。
僕「おい! 事前に申請しとかないと許可取れねぇじゃねーか!! なんとかしろよこの野郎!」
加藤「僕の力じゃなんともなりませんよ!! ......ほかの場所、行ってみます? 例えば浅草とか......」
僕「浅草? 君の考えることは本当に貧相だね。六本木とか浅草とか、そんなメジャーな所しか思いつかないわけ!?」
加藤「えーっ! じゃあどうするんですか!?」
浅草に来ました
そんなわけで浅草へ移動。白々しく「落語っぽいポーズ」で記念撮影
さすがは浅草。外国人観光客の姿もたくさん
僕「ほら。だから俺、浅草にしようって言ったろ」
加藤「いや、絶対言ってないと思います」
僕「まあまあ。でもこれだけ外国人がいたら楽勝やろ。友だち300人ぐらい2秒でできるわー」
「ヘーイ! よかったら友だちになりませんかーー!」みたいなノリで、がしがし外国人に話しかけてゆく僕。
しかし......。
日本語がまったく通じない
考えてみれば当然。浅草に来る外国人は圧倒的に観光客が多いわけで、そんな人たちに日本語が通じるわけがない!! 恐る恐る話しかけても、半笑いで首を振るだけで会話が成立しないのである。
「写真を撮ってあげてきっかけを作り、友だちになる作戦」も......
やはり言葉が通じず、見事に撃沈
やっべーー! 言葉の壁って、予想以上に分厚ーい!! やっぱり日本語を話せる外国人相手じゃないと、厳しい......!
加藤「そういう、日本語が話せる外国人が集まる場所って、どこかあるんですかね?」
僕「うーん、こうなったらあそこしかないかな......」
加藤「おお。心当たりがあるんですね。そこへ行きましょうよ」
僕「よーし、じゃあ例の場所に行くか!!」
例の場所に到着
結局ここしかないんです
加藤「六本木じゃないですか」
僕「あれ? そうなの? ここって六本木っていうの? いやー知らんかったわー。ここが六本木だなんて全然知らんかったわー」
加藤「なんなんですかもう......」
さっそく、周囲で外国人が集まるお店を探してみる
「六本木 外国人 バー」で検索。ひゅー! さすがは六本木! たくさんあるぞーー!
最初からこうすればよかったんだよ! 楽勝! 六本木なら日本に住んでいる外国人もたくさんいるだろうし、外国語が話せなくてもなんとかなるんじゃないの!?
じゃん! そんなわけで、外国人がたくさんいるというバーに潜入
おお......! 店内の半分以上が外国人! これは期待できる......! まずは男性3名、女性1名の4人組に声をかけてみよう。
僕「こんにちはー! 外国人と友だちになるコツって、なんかありますかーー!」
シンガポール出身の女性「んー、英語を話せないと厳しいんじゃない?」
え......。やっぱりそうなの?
女性「だって、言葉が通じないとコミュニケーションも取りづらいし......。私たちも4人中2人は日本語を話せないからね」
マジかよ......! 身も蓋(ふた)もない意見じゃねぇか......!
僕「そちらの男性は、友だちになるコツをご存じありませんか......?」
男性「Just drink it!(とりあえず飲んどけ!)」
あ、やっぱり!?
お言葉通り、お酒をあおる僕
みんな、だんだんと陽気になってきた
ちなみに写真の男性は香港出身のマイケルさん。東京マラソンに向けて来日したそうだ。「Just drink it!」と言ってくれたのもこの人。ちなみに出会った時には既に酔っ払っていた陽気なおじさんです。なるほど、お酒を酌み交わす、というのはなかなかいい手段なのかもしれない。
マイケルさん「とりあえず一緒に飲むっていうのはオッケーだけど、ごめんなさい。僕はあんまり日本語上手じゃない。君は英語、話せないの!?」
ひーっ! ごめんなさーい! 僕は全然話せないでーす!!
結局このまま、「イエーイ!」とか「ワーオ!」とか、よくわかんないことを言ってお茶を濁し、別のターゲットを見つけて恐る恐る接近。
もうひとり声をかけたのがニューヨーク出身のジミーさん
僕「そんなわけで、外国人と友だちになる方法を調査してまして......」
ジミーさん「んー、同じ人間なんだし、別に日本人と変わらないよ。学校や職場、人の紹介とかで友だちになることが多いかな。いくら外国人が多いところに行ったって、いきなり『友だちになってください』みたいなことを言ってくるやつは気持ち悪いよね」
僕「やっぱりそんなもんなんですか......」
ジミーさん「どうしても外国人の友だちが欲しいなら、外国人もたくさん来るような交流パーティを探して行くのがいいんじゃないかな。それなら相手だって出会いを探しているわけだし、てっとり早いんじゃない? 外国人が多いところに出入りする、ということと、外国人と友だちになるということは全然別物だって理解しておかないとね」
僕「なるほど......。ご協力、ありがとうございます!!」
そんなわけで......。
僕の語学力では、外国人の友だち作りはむずかしい!!
ぎゃーー! すみませんでしたーー! 方法はわかったものの、実際に外国人の友だちは作れませんでした!! ネットでは、「自然体で」とか「なるべく意見をはっきり言う」とか、そういう抽象的なコツが並んだりするんですが、そんなことより、まず言葉の壁がめっちゃでかい!! やはり外国語も積極的に学ばないと、難しそうですね......。
ジミーさんが言っていたように、「別に日本人も外国人も友だちになるルートはそんなに変わらない」というのが友だち作りの本質で、外国人だけじゃなく、日本人の友だちもたくさんいるような人なら、すんなり外国人とも仲良くなれるんじゃないでしょうか。結局は自分次第、ってことなんですかね......。
そんなわけで本日のまとめ
友だちを作るのに国籍はあんまり関係ないぞ!
むしろ言葉の壁がデカいので、外国語を勉強しようぜ!!
だけど、お酒は仲良くなるのに有効なツールとしても利用できる!
「英会話」で動画検索すると、いろいろと学べる動画が出てくるので、これで英語に慣れるのもアリかもしれません
ちなみに「外国人 パーティ」なんかで検索すると、国際交流パーティがいっぱいヒットします。日本語が話せる外国人限定、みたいなものもあるので、そこなら言葉の壁は乗り越えられるかも? みなさんも一度、足を運んでみてはいかがでしょうか!
今回の検索ワード
「外国人 仲良くなる方法」 - Yahoo!検索(ウェブ)
「都内 外国人 多い」 - Yahoo!検索(リアルタイム)
「外国人街」 - Yahoo!検索(ウェブ)
「谷中 中東系 店」 - Yahoo!検索(ウェブ)
「シーシャ」 - Yahoo!検索(リアルタイム)
「モスク」 - Yahoo!検索(画像)
「六本木 外国人 バー」 - Yahoo!検索(ウェブ)
「英会話」 - Yahoo!検索(動画)